我が庭の隅に浮き立つ石蕗の花
忘れられされどしぶとく石蕗の花
石蕗の花ぶっきらぼうに不器用に
暮れ残る瀬戸の島にも石蕗の花
<ツワブキの花の黄>
ツワブキの花の黄は、ナノハナやタンポポ、ヒマワリのように、世界を黄色い光の中に包み込む華やかさは持っていません。それでも、寒さの厳しい冬の日に、ツワブキの花の少し濁りのある黄色は、ほんのりと人々を温めてくれます。日本文化の神髄とされる「侘び・寂び」を体現したような色です。
<石蕗の花:例句>
石蕗は黄に風力発電風青し 冨村波聴
石蕗の花揺らし隣家の猫帰る 當麻幸子
花石蕗の日だまりすなはち猫だまり 杉山久子
飛石はをんなの歩幅石蕗の花 岡淑子
漆喰の壁にもたるる石蕗の花 大森美恵