モーロクしのまれて消える葉牡丹に
* 伽羅を焚く(竹西寛子 (著) )
明けても暮れても目に見えない靄の中を動いているような日々――梅雨の晴れ間のゼラニュウムの緋。
広島の被爆者としての、国策への懐疑、不満、さらには怒り。編集者、作家として、93 年の生涯をかけて「言葉」に関わってきた著者が、為政者の口説に失望をしながら、それでも書き留め続けた渾身のエッセイ集。
<葉牡丹(はぼたん)【冬―植物―晩冬】・例句>
葉牡丹にうすき日さして来ては消え 久保田万太郎
葉牡丹のいとけなき葉は抱き合ふ 日野草城
葉牡丹を囲む葉牡丹友癒えよ 神蔵器
葉牡丹を見てゐてわが眼渦となる 有働亨
葉牡丹の縮緬渦や小宇宙 田中浅子
葉牡丹のいよいよ渦をつよめけり 山田六甲
<【和歌山県 2022年版】・冬の絶景・風物詩6選・美しい梅花に彩られた日本一の梅の里 >・https://crea.bunshun.jp/articles/-/39615