風生まれ光あの世か冬蕨
<上田市に今冬もコハクチョウがやってきた 毎年観察する地元住民「千曲川でのんびり過ごして」>・12月12日・https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000037378
<冬蕨:例句>
冬蕨触るれば風の生れけり 木村コウ
木洩日のひとすぢすめる冬蕨 江崎成則
寄りそひて立つ穂や冬の花蕨 滋野暁
金色の光ちらして冬わらび 四方由紀子
冬わらび軽く胞子を放ちをり 山田健太
* 句集 アガパンサスの朝(川島由紀子 (著))
◆帯より
秋の窓開けて夕焼けクラブ員
「夕焼けクラブ」があったらボクも入会したい。「川島さん、夕焼けクラブを作ろうか」
と言えば彼女はすぐに行動に移るだろう。その行動力が彼女の魅力である。
そしてその行動力は、句づくりにおいても発揮されている。
この句集の作品の基調をなす多彩な「取り合わせ」がそれだ。(坪内稔典)
◆自選15句
初喧嘩グラスをひとつ割るくらい
触れてみるロダンの像と草の芽と
かたくりの咲いて暗がり柔らかく
磯巾着ひらく弱味をみせながら
桜咲きそう口内炎できそう
ジャングルジム虞美人草の明日は明日
新しい朝の雨音アガパンサス
雑巾をぎゅぎゅっとしぼる原爆忌
水遣りのホースさすらう夏の夕
寄り道はちょっと痛くて金木犀
梨嚙んで雲の手紙を読んでいる
絶望をくるむセーター湖晴れる
白鳥が来る日の帽子ありますか
マフラーを闇に投げれば火の匂い
口論のふっと蜜柑の匂いする