出遅れて晩学恥じず鼓草
ありんこがたんぽぽのはなのうえ
タンポポの綿毛を瓶にはなあそび
たんぽぽや宇宙旅行も現実に
<鼓草・例句>
見つけたるより一面の鼓草 稲畑汀子
空つぽの弁当鳴らす鼓草 小田道知
まつさきに地の輝きの鼓草 高村令子
* 発信: 武蔵野大学俳句アンソロジー (合同句集・井上弘美 (編集))
◆収録作品
春愁や草に座れば草匂ふ 加瀬 渉
透き通るほどの黒板若葉風 齋藤里桜
ひとしづく金魚の落とすあかい影 赤荻 愛
姉もまた着て恋をした古浴衣 豊嶋麻美
過ぎた日の君はアイドル青写真 木村真緒
まるで恋してゐたみたい西日落つ 金田実奈
絶海の退艦命令油照り 土斐崎種忠
名月や大地を影絵めくわれら 森貞 茜
ヒガンバナカンパリソーダオトナイロ 板橋麻衣
登高や雲あふれゐて翳ゆたか 加藤柊介
雁渡しボランティアに行く夜行バス 伊藤明香里
二人きりコンビニで聞く除夜の鐘 森 隼人
元日や祖父の二十歳は兵として 桃沢健輔
振袖にマスクで祖母と面会す 川原 都
成人式綺麗になった友に会う 越阪部依子