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徒然俳句:鳥帰る

鳥帰る帰る場所ありうらやまし
 
<鳥帰る(とりかえる/とりかへる) 仲春>
【子季語】帰る鳥/小鳥帰る/小鳥引く/鳥引く/引鳥

<鳥帰る:例句>
鳥帰るさぎめく水面より立ちて  稲畑汀子
三番瀬ひかり返しの鳥帰る    能村研三
鳥帰る近江に白き皿重ね     柿本多映
線香と百円ライター鳥帰る    加藤真起子
鳥帰る切手のふちのきりとり線  寺田良治

* リスボンの窓 (句集・坪内稔典 (著))
◆第十三句集
ころがしておけ冬瓜とこのオレと
七〇歳で大学を退職した私は、時折、リスボンの靴屋の裏へ行き、気ままに過ごしてきた。その気ままな気分がもしかしたらこの句集にあるかも。リスボンの空は今日も青い。(あとがきより)
◆作者のある日の自選十句
柿くえばパウル・クレーと友だちに
水ぬるむカバにはカバが寄り添って
ついさっきホタルブクロを出た人か
しっぽまで赤くて人参身がもたん
ねじ花が最寄りの駅という日和
あんパンと連れ立つ秋の奈良あたり
ころがってアリストテレスと冬瓜と
桜咲くくすんと蝶がうんこして
リスボンの靴屋の窓かヒヤシンス
緑陰で大工さんとか呼ばれたい

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