入道雲子供に還るモーロクし
モーロクしされど力を雲の峰
雲の峰モーロクすればこもる癖
奮起せよモーロクすれど雲の峰
モーロクし命賭けるか雲の峰
<雲の峰(くものみね)三夏>
【子季語】積乱雲、入道雲、峰雲
<雲の峰:例句>
おいしい水にわれはなりたや雲の峰 清水径子
一湾に漁港むきあひ雲の峯 大串章
散らばって増える家族や雲の峰 陽山道子
雲の峰ぐっとがっとぱっと高見盛 富澤秀雄
ワイシャツの襟の強情雲の峰 乳原孝
* 木挽町のあだ討ち(永井 紗耶子 (著))
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。新田次郎文学賞など三冠の『商う狼』、直木賞候補作『女人入眼』で今もっとも注目される時代・歴史小説家による、現代人を勇気づける令和の革命的傑作誕生!