MENU

徒然俳句:春遅々

春遅々と脳内配線蛸足で
春遅々とこころの虚ろそこここで


<春咲きのラン 漂う甘い香り 水戸市植物公園で230株展示 茨城>・2月26日
https://kitakan-navi.jp/archives/222797

<春遅々:例句>
春遅々と毛布の中の空気さへ   辻桃子
春遅々と鯰の頭大の鬱      高野ムツオ
病む母の軽き寝息や春遅々と   石川栄枝
春遅々と噴水に透く過密都市   野見山ひふみ
終の地は風鳴るばかり春遅々と  赤石絹江

* 句集:「カシオペア」(向瀬美音 (著))
◆第二句集
香水を一滴をんな取り戻す
美音さんの句はかなり大胆な試みのもとにあることがわかる。
いままでの美音さんの句全体を見渡してみると必ずしも試みが成功しているとは言えないものもあるのだが、そうした不成功を怖れないところが美音さんの特徴とも言える。
むしろ、ここからまた何か新しいものが生まれるのではないかという期待が生じてくるのである。序より・大輪靖宏
◆自選十二句
連山を統べ大阿蘇の野火走る
この先は獣道かや山桜
荷風忌やソーヌゆつくり蛇行して
ときめきは晩年に来よ桃の花
国境は青き海なりつばくらめ
もう少しで星を掴めるハンモック
美しき刻を重ねて滴りぬ
あるがまま溺れてみたき芒かな
十六夜のしづかに潮の引きにけり
アサギマダラ色なき風に抗はず
家系図に一人加ふる春隣
初夢や手には届かぬ北極星

  • URLをコピーしました!
目次